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50年後も聴き続けたい美しい旋律 #06「世界に一つだけの花」

50年後も聴き続けたい美しい旋律
今回は、老若男女に愛され、音楽の教科書にも掲載されている国民的名曲。SMAPの「世界に一つだけの花」をご紹介します。


TVドラマや映画といった枠にとどまらず、
平成という"時代"そのものとタイアップしたようなスケールの大きい作品。

それが、SMAPの「世界に一つだけの花」です。

日本人であれば、知らない人の方が稀な超有名曲をあえて紹介する理由。
それは、この楽曲に込められた尊いメッセージを、今一度見つめ直してもらいたいと思ったからです。


今から20年前の2002年に、
アルバム「SMAP 015 / Drink! Smap!」の収録曲として発表された「世界に一つだけの花」。

翌年の2003年にはシングルカットされ、
平成で唯一のトリプルミリオン(300万枚)を記録!

音楽としてのエンターテインメント性もさることながら、
人々の心に深く刻まれるメッセージ性も兼ね備えており、記録にも記憶にも残る作品となりました。

この楽曲が多くの人から愛される理由の一つとして、
花をモチーフにしている点が挙げられると思います。

花に対して"特別好き"という感情は持たないまでも、花が嫌いという人はあまり見かけません。

花には沢山の種類が存在し、
同じ種類の花でも色や数によって印象は変わります。

さらに言えば、それぞれにふさわしい象徴的な意味をもたせた花言葉も、一つとして同じ意味のものは存在しない。

(特定の世代や人種に向けてではなく)
より多くの人達にこの楽曲のメッセージを分かり易く伝えるために、
花というモチーフを選んだことはとても良い判断だったと思います。

そして、最も重要なこと。

それは、この楽曲が日本の国民的グループでもあるSMAPから発信されたということです。

この「世界に一つだけの花」を上手に歌えるアーティストは、
日本はもちろん、世界中を探せば本当に沢山いると思います。

しかしながら、、、

"人と一緒であることを好む" 多くの日本人に対して、
"それぞれの考え方や生き方があっていいじゃないか!"ということを赤の他人から言われても、まったく心に響きません。

(日本の総理大臣よりも影響力があるであろう)
SMAPから発せられる言葉だからこそ心に響き、そして感動する。


「No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」


このフレーズは「世界に一つだけの花」の世界観を象徴するものであり、楽曲の最初と最後を飾る重要な歌詞でもあります。

これはあくまでも個人的な意見ですが、
1番を目指すという行為はそんなに悪いことではないと思っています。

順位をつけるのは、一見すると非情な行為のように思えますが、
肝心なのは決して一人きりではできない行為であるということ。

競争相手。つまりは、切磋琢磨しあえる仲間の存在がなければ、順位をつけることができません。
仲間の存在は自分の存在価値(個性)を見出すきっかけにもなり、お互いに成長することもできる。

それこそ、5つの個性が結集して日本を代表するグループとなったSMAPがその最たる例です。

何よりも、競争するということは (競い合うために自分自身も) 努力をするということ。

努力をすることで、たとえ1番になれなかったとしても、
長期的なスパンで考えれば1番になること以上の経験や発見を得られるかもしれない。

他人と競争するという行為は、ある意味人間らしさを具現化した行為であり、
自分の可能性や理想を追求していく上で必要なことなのではないでしょうか?

「No.1」になれるのはたった一人だけど、
「Only one」な自分という存在になれるのも世界中でたった一人だけ。

人間の中には"個性"という名の蕾が確実に存在し、その蕾は努力によって花開きます。

たとえそれが1%に満たないたった0.1%の個性であったとしても、
それは紛れもなく自分だけに贈られた宝物であり、奇跡でもある。


「No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」


20年前にSMAPから発信されたこのメッセージ (蕾) は徐々に花開き、
2022年の現在では、世界中で多様性を尊重することが必然となりつつあります。

世界中の人がこの言葉の意味を理解したとき、
この世の中から「戦争」という言葉だって消えて無くなるかもしれない。

皆さまもこの楽曲をBGMにしながら、
まだ見ぬ未来との接点を探す旅に出てはいかがでしょうか?

他の誰でもない、自分の人生を切り開くために・・・


世界に一つだけの花 - SMAP (2002)
Lyrics:槇原敬之 / Music:槇原敬之

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