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50年後も聴き続けたい美しい旋律 #01「君の名は希望」

音楽は時に、人の心を太陽のように照らし、
感動を与えてくれる処方箋のような不思議な力があります。

(不定期ではありますが) 今までの人生で心に響いたお気に入りの楽曲を、
アーティストの方々に心からの敬意を込めて、ご紹介しようと思います。

第1回目は、乃木坂46の「君の名は希望」です。


「君の名は希望」の歌詞は、次のような文章で締めくくられています。

「君の名前は"希望"と今 知った」
「希望とは 明日の空」

これらの意味を、歌詞全体からこう解釈しました。


「今まで"孤独"と共に生きてきた僕にとって、生きる (生きている) ことの素晴らしさを教えてくれた君という存在は、(僕の) "希望"そのものだ。」
「(孤独とは違う) こんなにも素晴らしい世界があるのを知ることができたから、僕はこれからも生きていける。」


この楽曲は、学生生活を舞台にした恋愛ソングと捉えることもできますが、
私はもっと大きなものさしで「人生観」のようなものを表現しているのでは!? と思えてなりません。

「人は一人では生きていけない。あらゆる感情が湧き上がるのは、自分が今 "生きている"ということを示す証拠のようなもの。」

2020年、新型コロナウイルスによって世界は一変しました。
世界中の人々が "生きる" ということを、改めて考えさせられた年だったのではないでしょうか!?

今まで当たり前だと思っていた出来事が、まるで奇跡のように感じられた2020年。

「君の名は希望」の歌詞が、自然と心に響きます。


旋律について最もお伝えしたいのは、
Aメロのメロディーラインの素晴らしさです。

J-POPで最もポピュラーなパターンは「Aメロ→Bメロ→サビ」という流れなのですが、
「君の名は希望」は「Aメロ→Bメロ→Aメロ→サビ」という、少し変わった構成になっています。

さらに言うと、イントロとアウトロ (曲終わり) もAメロのメロディーで構成されているのです。イントロというのは、楽曲の印象を左右する重要な部分です。「君の名は希望」のAメロは、イントロパートを任せられるという観点から見ても、非常にクオリティの高い旋律と言えます。多用しながらも、飽きることなく聴き続けられるこの旋律は、発明と言っても過言ではないでしょう。本当に素晴らしいです。

これはあくまでも個人的な見解ですが、この楽曲は「Aメロ (Bメロ) = サビ」というメロディーバランスで、楽曲が成り立っていると思います。

通常、キャッチーな意味合いも含めて、Aメロ < サビというバランスが一般的です。加えて、アレンジも徐々に盛り上げていくというのがセオリーなのですが、「君の名は希望」は全てのメロディーが素晴らしいので、旋律自体の美しさを損なわないよう、アレンジもあえてシンプルにしているのでは!? と推測できます。ライブで見せる壮大なオーケストレーションが映えるのも、元のシンプルなアレンジが根底にあるからだと思います。

そして、この楽曲のクオリティを決定づけているのが、センターポジションを務める生駒里奈さん (2018年にグループを卒業) の存在です。

デビュー曲からセンターを任され続けた孤独感に、儚くも美しい旋律が重なった「君の名は希望」は、可憐で清楚な乃木坂46のイメージを決定づける1曲となりました。生駒さんがセンターだから成り立つ世界観が確実に存在し、生駒さんがいなければ生まれなかった楽曲だと、心からそう思えます。

「君の名は希望」を単なるアイドル楽曲の一つとして片付けるには余りにも惜しく、日本のミュージックシーンにおいて、永遠に語り継ぐべき名曲なのは間違いありません。皆さまも、ご自身の"希望"を思い浮かべながら、この奇跡を心の耳で感じてみてはいかがでしょうか!?

今回、このタイミングでご紹介したのは、
コロナ禍の今だからこそ伝わるメッセージがあるのでは!?と思ったからです。

文学作品にも思える素晴らしい歌詞とともに、沢山の方々に届く事を願っています。

2021年、「君の名は希望」がさらに好きになりました。

50年後に聴く時には、今よりももっと好きになっているのでしょうか!?
今からとても楽しみです。


君の名は希望 - 乃木坂46 (2013)
Lyrics:秋元康 / Music:杉山勝彦

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