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Two Steps From Hellってモーツァルトの生まれ変わりなのかもしれない

皆さまは「トレイラーミュージック」という言葉をご存じでしょうか!?

映画館で映画を見る際、本編の前に新作などの予告編が流れると思います。予告編は、作品の魅力を3・4分程度に凝縮するので、その出来を決定づけるであろう音楽は、最も重要な要素と言っても過言ではありません。そんな予告編の為だけに制作された音楽のことを「トレイラーミュージック」と言います。日本映画の場合、予告編の音楽には主題歌が用いられるケースが多いので、日本人にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。

現在「トレイラーミュージック」の世界で、映画の本場ハリウッドを中心に大活躍している二人組がいます。その名は「Two Steps From Hell」です。

今回は、あの天才モーツァルトにも匹敵する!? 彼らの素晴らしい音楽をご紹介していきましょう!

2006年に、ニック・フェニックス (Nick Phoenix) とトーマス・バーガーセン (Thomas Bergersen) の、二人によって結成されたTwo Steps From Hell。結成当初は、映画の予告編やテレビ広告用の楽曲制作を中心に活動していたので、一般のリスナーの方にはあまり知られていない存在でした。ですが、「アバター」や「ハリーポッターシリーズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」など、人気作の予告編を手掛けているうちに、リスナーから「あの音源が欲しい!」との声が殺到し、2010年に初めての商業用アルバム「Invincible」をリリース。「トレイラーミュージック」の第一人者として、多くの人に知られる存在となりました。

日本でも近年、多くのTV番組 (スポーツドキュメンタリーやバラエティー番組など) で彼らの楽曲が使われるようになったので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか!? (「Adventure Of A Lifetime」や「Ocean Kingdom」などは、どこかの番組で一度は聞いたことがあると思いますよ!)

映画やドラマのワンシーンで流れる音楽というのは、いわゆる"BGM"としての要素が強い傾向があります。演技の邪魔にならないよう、抑揚の少ないメロディーをループするなど、メッセージ性の弱い音楽が主になります。これに対し「トレイラーミュージック」は、楽曲の中で一つの物語を完結させるという音楽的要素が強いので、"BGM"とは真逆の考え方で構成されています。一般的なボーカル楽曲のように、楽曲の世界観をとことん楽しむことが出来るインストゥルメンタル作品とも言えるでしょう!歌詞が無い分、テーマに合わせて一人一人違うイメージを投影させることができるので、自分だけの世界観を楽しむ事ができます。

私自身、この10年で最も衝撃を受けたのはTwo Steps From Hellの音楽でした。奇跡的に巡り合えた「Two Hearts」との出会いから早6年。気がつけば、彼らのCDを全て集めてしまうほどハマってしまいました。彼らの素晴らしい音楽に出会えた感動を、私は一生忘れることはないでしょう。

さて、オススメの楽曲を普通に紹介してもツマラナイので、今回はあるテーマを用意しました。

それは「もしもスーパーマリオの音楽が "Two Steps From Hell" だったら!?」というものです。日本人であれば、誰もが知っているであろう国民的TVゲームとコラボレーションする事で、よりシンプルに、楽曲の魅力をお伝え出来ると考えました。皆さまも、自分がマリオになった気分で楽しんでもらえれば幸いです。(このページ内で紹介している「楽曲名」をクリックすると、Two Steps From Hell 公式YouTubeチャンネル内の同楽曲をフル音源で聴くことができます。)

scene.1
ピーチ姫がクッパの手下に囚われ、救出に向かうマリオ。
ご自慢のカートで、クッパ城へ颯爽と向かう時の音楽としてオススメなのが「Dragon Rider」です!

疾走感あふれる楽曲だということは、曲名からも伝わってきますね!2分弱という短い演奏ながら、分かり易いキャッチーなメロディーなので、心にしっかりと響きます。Two Steps From Hellの音楽は、基本的に生の楽器 (フルオーケストラ) で構成されています。この楽曲もメイン部分はそうなのですが、リズム隊が打ち込み (コンピューター音) になっています。打ち込みサウンド特有の、軽いリズム隊がこの楽曲の疾走感を際立たせ、スネアドラムから始まる構成もお見事!彼らの音楽は、クラシックの音楽性と現代音楽の配分が素晴らしく、初めて出会ったのにも関わらず、以前から知っていたかのような気持ちにさせてくれます。

scene.2
いよいよ敵の本丸に到着!クッパ城に乗り込み、クッパが待つ部屋までの最後の道のり。
緊張感漂う、この場面での音楽は「Spellcaster」!

Two Steps From Hellの真骨頂ともいうべきスタイルの楽曲で、まさに神曲!重厚な弦楽器と壮大なコーラスの組み合わせが、最終決戦に向かう時の熱気や興奮ともリンクしていて、最高に気持ちいいです。リズム隊も打ち込みではなく、生演奏なので「Dragon Rider」との違いも感じていただけると思います。そして、最大の聴き所が、1:06秒過ぎから始まります。主旋律で同じ譜割りが8回連続で続くのですが、その構成が素晴らしいのです。飽きさせるどころか、もっと聴きたくなるように音階を変えながら終盤に持っていく構成力。センスの塊としか言いようがありません。皆さまも、何かラストスパートに向けて頑張りたい時に、ぜひ聴いてみてください!

scene.3
ついに最終決戦!宿命のライバル、クッパとの一騎打ちです。
この因縁の対決を彩る音楽として「Fearless」は、最高に盛り上がります!

トーマス・バーガーセンのソロ名義で発表された「Fearless」。直訳すると"恐れを知らない"といった感じでしょうか?! 静寂から始まり、徐々に盛り上がる構成が最終決戦という舞台にマッチします。個人的にも、彼らの楽曲の中でベスト3に入る程のお気に入りで、今まで数えきれないほど勇気づけられました。2020年「Get Wild退勤」が流行りましたが、この楽曲はそれとはまったく真逆。スポーツの試合前や試験の前など、何かを始めようとする前にぜひ聴いて欲しいです。きっと、心を熱くさせる何かを後押ししてくれるはず!

そして、最大のオススメポイントは、2:50秒過ぎからのバスドラムです 。途中まで生楽器で構成されていたリズム隊が、ラストで急に打ち込みに変わります。しかも、主旋律と同じ譜割りでバスドラムを配置するそのセンスが素晴らしすぎて、初めて聴いた時には思わず鳥肌が立ってしまいました。メロディーメイカーとしての才能はもちろんですが、アレンジセンスがずば抜けて良いのも彼らの特徴です。

last scene.
クッパとの宿命の対決に、見事勝利したマリオ。
Forever In My Dreams」は、ピーチ姫との再会を優雅に演出してくれます!

シンセサイザーの優しい音色と、幻想的なコーラスが見事にシンクロしていて、まさにタイトル通りの美しい楽曲。音だけでここまで的確に表現できる才能が、素直に羨ましいです。実を言うと、ご紹介するのは「scene.3」までの予定でしたが、「Forever In My Dreams」のように静かで幻想的な楽曲も多く手掛けている事をお伝えしたく、急遽加えた次第です。この楽曲のように、静かな曲調がお好みの方には「Miracles」というアルバムをオススメします。Two Steps From Hellでは珍しく、優雅で神秘的な楽曲が多数収録されています。

いかがでしたか!?
モーツァルトやベートーヴェンが生きていたら、彼らの音楽をどう評価するのか聞いてみたいものです。

音楽の素晴らしさを堪能できるインストゥルメンタル作品の魅力を、Two Steps From Hellの音楽で感じてもらえれば嬉しい限りです。

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