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50年後も聴き続けたい美しい旋律 #03「Express Feat. Silla (múm)」

50年後も聴き続けたい美しい旋律
今回は、美しいピアノの音色と素晴らしい映像のマリアージュが心に響く、HIDETAKE TAKAYAMAさんの「Express Feat. Silla (múm)」をご紹介します。

世界的なディーバでもある、
セリーヌ・ディオン (Céline Dion) の「My Heart Will Go On」という楽曲があります。

"セリーヌ・ディオン" という名前を世界中に知らしめた彼女の代表曲であり、映画「タイタニック」の主題歌としても有名なこの楽曲。実は、サウンドトラックを手掛けたジェームズ・ホーナー氏 (James Horner) が作曲をしたことはあまり知られていません。

映画「タイタニック」の中でも「My Heart Will Go On」のメロディーが効果的に使われており、映画史に残る傑作に華を添えています。映像と音楽の相乗効果が最大限に発揮された、素晴らしい例の一つと言えるでしょう!

クリエイティブな分野において、音楽と映像の関係性を分かりやすく例えるとするならば、それはまるで兄弟のようであり、相乗効果は計り知れません。お互いのポテンシャルを高めあうとともに、アーティスト (作り手) が伝えたい意図をより具現化する手段としても非常に効果的です。

今回ご紹介する「Express Feat. Silla (múm)」にも、Music Videoが存在します。

完成した楽曲のイメージが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界観と合致するという理由から、Music Videoは「銀河鉄道の夜 その後」という設定で構築されており、全編CGアニメーションで描かれたその美しい映像美は、まるで一本の映画を見ているかのよう。音楽 (楽曲) と映像 (Music Video) の調和が言葉では表現できないほど素晴らしく、初めて見た時の感動を今でも鮮明に覚えています。

Music Videoは、楽曲を売り出すためのプロモーション・ビデオという意味合いで制作されるので、本来は引き立て役とも言える立ち位置になります。ですが、本作品においての関係性は、太陽と月のように親密なものであり、"二つで一つの作品" と言っても過言ではありません。

楽曲そのものは、ピアノをメインに構成されています。
幼い頃からクラシックピアノに従事してきたHIDETAKE TAKAYAMAさんの音楽は、"音" の表現を大切に紡ぐ、繊細な世界観が特徴的です。

この "HIDETAKE TAKAYAMA" イズムは、
「大切な人との永遠の別れ」がメインテーマとなっている本作品にも、しっかり受け継がれています。

「別れ」をテーマにする場合、一般的にはマイナーコード (暗い雰囲気) をベースにして楽曲を構築していくのですが、この楽曲はまったく逆のアプローチです。個人的には、この (現状ではなく) 未来を見据えた明るい楽曲のアレンジが一番心に響きました。"過去は変えられないけど 未来ならば明日から変えられるよ" というメッセージが込められているように感じられ、勇気が湧いてくるのです。

「Express Feat. Silla (múm)」には歌詞が付随しますが、歌声を "音" の一部として解釈しており、歌詞のあるインストゥルメンタル作品へと昇華しています。曲中で一番盛り上がる部分にあえて歌詞を入れずに、ピアノとストリングスが主旋律を奏でる大胆なアレンジ。音の表現や響きを大切にする、クラシックピアノ出身のアーティストらしい演出です。

後ろを振り返るのではなく、
前を向いて、自分自身で未来を切り開いていくことの大切さ。

過去の出来事を良い経験 (思い出) とするかどうかの判断は、
"今" ではなく、"未来" なんだということを教えてくれる素晴らしいアレンジです。

目を閉じると 君の顔が思い浮かぶんだ
目を閉じると いつでも
君の笑顔が忘れられないんだ

このフレーズは、
この楽曲を彩る歌詞の、最後の部分を英訳したモノです。

失ってみて初めて気づく、
大切な存在と、その人への思い。

別れというのは悲しいものですが、新たな物語が始まる合図でもあります。

"全ての出会い・別れには 必ず意味がある"

出会いというものは偶然ではなく、そのほとんどは必然で起こる出来事だと思います。必然でありながら、偶然の出来事であるかのように錯覚してしまうのは、出会った時に「何故出会ったのか!? (出会った意味)」ということを特別意識しないからです。

人は、"当たり前" や "普通" という言葉に対して、特別良いイメージを抱きません。

ですが、それらはある意味、
今置かれている環境が恵まれているからこそ生まれる、特別な価値観なのです。

私はこの楽曲と出会えたことを誇りに思います。

お時間がありましたら、Music Videoをぜひご覧になってみてください。
「銀河鉄道の夜」を読んだことがない方でも十分楽しめますよ!(YouTube内の公式動画はコチラです)

当たり前の景色が、いつもとは違うように感じられるかもしれません。
ピアノが紡ぐ素敵な物語を、美しい映像とともにお楽しみください。


Express Feat. Silla (múm) - HIDETAKE TAKAYAMA (2012)
Music:HIDETAKE TAKAYAMA

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