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50年後も聴き続けたい美しい旋律 #05「青春の馬」

50年後も聴き続けたい美しい旋律
今回は、自分の可能性を信じ、挑戦することの素晴らしさを見事に歌い上げた日向坂46の「青春の馬」をご紹介します。


シングルのカップリング曲でありながら、多くのファンに支持される「青春の馬」。

この楽曲がファンの心の中に深く刻み込まれる最大の理由。
それは、"日向坂46が歌うことの意義" を理解しているからです。


すべての始まりは、ひとりの少女の存在から・・・


2016年に欅坂46 (現:櫻坂46) の姉妹グループとして結成された「けやき坂46 (通称:ひらがなけやき) 」。

元々は、特例で欅坂46に加入することになった長濱ねるさんのために結成されたグループということもあり、
2019年に「日向坂46」と改名するまでの道のりは順風満帆とは程遠いものでした。

圧倒的な存在感を見せる欅坂46のすぐそばで、
自分達の存在意義を模索し続けるけやき坂46。

自分たちの可能性を信じ、
輝ける未来が訪れることを夢見ながら懸命に過ごした3年間。

(喜びを喜びとして感じるために)
悔しいという感情を嫌というほど経験してきたこの3年間は、
彼女たちにとって決してムダな時間ではなかったと思います。


「遠回りすることが一番の近道」


これは、元メジャーリーガーでもあるイチロー選手の言葉です。

人間ならば誰しも、
明らかに遠回りだと思う道を自ら好んで進む人はいません。

自分の理想とする自分に、少しでも早く近づきたいという願望があるからです。

しかしながら、近道を通っても遠回りをしても、たどり着く目的地は同じです。

大事なのは、、、

「どれだけ早く着いたのか!?」ではなく、
「どこを通ってきたのか!?」ということ。

遠回りをするということは、
その分色々な経験ができるとも言えます。

ときには、自分の未熟さを思い知ることもあるでしょう。

ですが、そんな未熟な部分を含めて「それも自分なんだ!」と受け入れるからこそ、心から自分自身を信じることができるのです。

(自分を含め) 人を信じるということは、
決して揺らぐことのない覚悟が自分の中に確立していることを証明するようなもの。

時には、"ひらがなけやきが欅坂の名前を汚している" と罵倒されながらも、逃げることなく真っ向から立ち向かってあらゆる壁を乗り越えることができたのは、メンバー全員が自分とグループの可能性を信じていたから。

陽の当たる坂道にたどり着くための3年間は、
日向坂という唯一無二の花を咲かせるために神様から用意された遠回りの道のりだったのかもしれません。

自分たちの可能性を信じ、
挑戦することの素晴らしさを経験してきた彼女たちが、心を込めて歌う応援ソング。

それが「青春の馬」です。

勇気をもらえる歌詞も素晴らしいのですが、
個人的には、ラストを締めくくるアウトロの構成にしびれました。

アウトロ部分に配置されているのは、以外にもBメロのメロディー。

本来Bメロは、Aメロとサビの間をつなぐ架け橋のようなパートなので、アウトロ部分に用いられることは殆どありません。

サビ (夢や目標) へ繋がるBメロ (道のり) を、あえて一番盛り上がるラストに持ってくるという粋な演出!

その後に繋がるサビの部分をあえて余白として残し、
「この曲の主人公は、日向坂46ではなく、あなた自身(リスナー)。」ということを明確に表現しています。

彼女たちから語られる物語だからこそ、
発せられる言葉に魂と説得力が生まれ、音楽作品としての深みも生まれる。

表題曲 (シングルのタイトル曲) ではなくカップリング曲というのも、今思えば憎い演出のように感じられます。

ちなみにですが、ダンスの振付やミュージックビデオに関しても、
(ひらがなけやき時代を含めて) 過去の楽曲とリンクしている箇所がいくつもあり、これまでの歴史が今 (青春の馬) に繋がるようになっています。

まさに、日向坂46の歴史から生まれた作品と言っても過言ではない「青春の馬」。

アイドル楽曲としてではなく、
令和に生まれた珠玉の応援ソングとして語り継がれる名曲だと思います。


最後に、、、

2022年 3月30日

日向坂46のメンバーは、
(ファンとの) 約束の地でもある東京ドームの舞台に立ちます。

東京ドームは日向坂46にとって一つのゴールであると同時に、新たなスタートを切る場所。

夢と希望を持ち続ける限り、彼女たちの挑戦に終わりはありません。

もちろん、
彼女たち自身もとっくに気づいているはずです。

挑戦の終わりは、新たな挑戦の始まりということを・・・

Never give up! Never give up!
The easy way has no meaning


青春の馬 - 日向坂46 (2020)
Lyrics:秋元康 / Music:近藤圭一

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