Mar 28, 2021
ボーカル楽曲を100倍楽しむメソッド
音楽のジャンルは色々ありますが、
楽曲の種類は大きく分けて「ボーカル楽曲」と「インストゥルメンタル楽曲」の2種類しかありません。
「インストゥルメンタル楽曲」とは文字通り、歌 (ボーカル) のない楽器だけで演奏された曲の事であり、音だけで楽曲の世界観を表現する素晴らしい芸術です。しかしながら、一般リスナーの方には「ボーカル楽曲」の方が親しみがあるのではないでしょうか!?
今回はそんな「ボーカル楽曲」を100倍楽しめる!? メソッド(楽曲の聴き方)を、特別にお教えしたいと思います。
ちなみにですが、
「上手く誘導して イヤホンやヘッドホンを購入してもらおう!」というような、下心は全くありません (私自身 そういうやり方があまり好きではないので... )。
ただただ純粋に「今よりも音楽を好きになって頂きたい!」という思いだけです。加えて、"楽譜が読める"であったり、"コード進行を理解している"等の音楽的知識はもちろん、特別な道具も一切必要なし。このメソッドによって音楽に対する印象が変わるかもしれませんので、お時間をいただければ幸いです。
メソッドを実践するにあたり、用意するモノは次の3点です。
・イヤホン or ヘッドホン
・音楽を聴くためのデバイス
・音源
いかがでしょうか!?
音楽を聴く際に使用する最低限の道具だけで準備はOKです!
音楽を楽しむ場合、
イヤホン・ヘッドホンの他にスピーカーという選択肢もありますが、スピーカーはあまりオススメしません。
なぜならば、イヤホン・ヘッドホンに比べると実践するのが格段に難しくなるからです。理由は、後ほど説明します。
今回のメソッドを一言で表現するならば「ボーカルを意識しないように聴く!」という事になります。「ボーカル以外の部分 (楽器演奏) を意識しながら聴く!」という表現の方が分かり易いかもしれません。もう少し詳しく説明すると、多くの人は"無意識に歌声を意識して聴いてしまっているので、その聴き方 (意識) を変える"という事です。「別にボーカルを意識して聴いていないけどなぁ... 」と思われる方も多いと思いますが、実は多くの人がそのように聴いているのです。
誤解のないように説明すると、"無意識に歌声を意識してしまう" ことはごくごく一般的な現象です。例えば、ステーキ屋でステーキが運ばれてきたとき、誰もが主役のお肉に目を奪われてしまいます。この時に、付け合わせのポテトであったり、盛り付けられているお皿の方に意識が集中するなんて事はありませんよね!?「ボーカル楽曲」においての主役は間違いなくボーカルなので、無意識に歌声を気にしてしまうのはごくごく自然なことなのです。
まず初めに、ボーカル以外の部分 (楽器演奏) を意識しながら聴くことが、どういう理由で「ボーカル楽曲」を100倍楽しめることにつながるのかを説明します。(この部分をしっかりと理解する事が重要です)
「ボーカル楽曲」の歌声だけを意識して聴いているということは、ディズニーランドに遊びに行った際、他には目もくれずに、アトラクションだけで一日を過ごしているようなものです。花形であるアトラクションで遊ぶことは確かに楽しいですが、そこにパレードやショーなどの楽しいイベントであったり、個性豊かなキャラクターとのふれあいが合わさることで、"ディズニーランドで遊んだ" という経験になるのではないでしょうか!?
しかしながら、アトラクションだけで一日を過ごした場合においては、"ディズニーランドのアトラクションで遊んだ" という経験になり、ディズニーランド全体を堪能しきれていない事になります。もちろん、全てのイベント内容をしっかり把握した上での"アトラクションしか乗らない"という選択であれば、自分の意思によるものなのでまったく問題ありません。大事なのは、選択をする上で"選択肢"が多いほうがより楽しめるという事実です。沢山選択肢がある中での「今日はアトラクションを中心に一日を過ごそう!」の方が、"あえてそうしている" という心の余裕も生まれ、より充実した時間を過ごせるのではないでしょうか!?
このことは音楽鑑賞にも同じことが言えると思います。ボーカルをメインで (意識して) 聴きたい場合でも、楽曲の全体像を把握しているのとそうでないとでは、楽曲に対する理解度がまるで違うモノになってしまうという事を心に留めておいて欲しいのです。あらゆることを「意識」すると、物事を様々な角度から捉えることができ、その経験が「知識」として構築されていきます。これは「星が光り輝いて見えるのは夜 (暗闇) の存在があるから!」といった具合に、ある意味全てに通じる考え方だと思います。
前置きが長くなりましたが、ボーカル楽曲を100倍楽しめる具体的な聴き方を発表します!
"好きな楽曲を一つ選び 集中してフルコーラスで3回聴く"
たったこれだけです。
次に、どのような事に注意して聴いていくのかを説明します。
1回目:リズム隊 (ベースやドラムセッションなど) だけを意識して聴く
2回目:リズム隊以外の演奏部分 (ギターやピアノなど) を意識して聴く
3回目:歌声以外 (楽器伴奏全体) を意識しながら聴く
(1回目~3回目を1セットとして繰り返し実践するとより効果的です)
TVのクイズ番組で「ボーカル以外の楽器を全部当ててみよう!」という問題にあたかも参加しているような、リラックスした状態で聴くとスゴク楽しめますよ!選ぶ楽曲については、好きなアーティストであったり、聴き慣れた楽曲から始める方が良いでしょう。これは、苦手な教科よりも得意な教科の方が勉強しやすいのと同じ理由です。また、スローテンポな楽曲よりも、リズムを感じやすいアップテンポの楽曲の方がオススメです。
正直なところ、慣れるまでは想像以上に脳が疲れてくると思いますし、窮屈な感じがします。これは「美しい姿勢を意識しながら歩く」と同様に、普段当たり前のようにやり慣れている行動を違うやり方で実行しなければならないので、どうしてもそう感じてしまいます。
ですが、自転車に乗れるようになる為の練習のように、一旦マスターしてしまえばどんな楽曲でも柔軟に対応出来るようになります。想像以上に楽曲の世界観を楽しめるようになるので、そうなる未来が来ることを信じながら実践して頂ければ幸いです。
それでは、このメソッドの重要なポイントを見ていきましょう!
「リズム隊だけを意識して聴く」とあります。今回のメソッドの中では、この部分が最も重要であり、音楽を楽しむ上では絶対に切り離せない要素になります。音楽にとってのリズム (ビート) とは、人間で言うところの心臓と言っても過言でなく、リズム無しで音楽は成り立ちません。そのリズムを楽曲の中で分かり易く伝えているのが、ベースやドラムセッションなどのリズム隊という事になります。「3回連続で同じ楽曲を聴くのは面倒くさい」と思われる方は、リズム隊だけを意識して聴くことだけでも実践してみてください!楽曲に対する印象が確実に変わります。リズムを耳ではなく体で感じることができれば (この感覚を多くの人に知ってもらいたい!) 、あとはスムーズに進みます。このリズムの部分は"特に意識してほしい重要なポイント"としてお伝えしておきます。
イヤホンやヘッドホンで聴く場合、基本的に歌声とリズム隊は"頭の中央"から聴こえてきます。これは、レコーディングエンジニアが全体のバランスを考えて、歌声 (楽曲の主役) とリズム (伴奏の要) を聴きやすくするためにそう配置しているからです。逆に、歌声とリズム隊以外の楽器伴奏は、基本"頭の中央以外"から聴こえてきます。理由は言うまでもなく、中央に配置すると歌声と被り、主役が目立たなくなるからです。ですので、2回目の「リズム隊以外の演奏部分を意識して聴く」に関しては、頭の中で180度の扇形を描き、中央部分以外からの音を意識すると聴き取りやすいです。ボーカル有りの時はギターが右側から聴こえるのに、ギターソロになると中央から聴こえてくる (ギターソロの主役はギターだから) といった事が意識的に感じとれると、聴いていて楽しくなりますよ!
定位 (位置) を含めた楽曲のアレンジには、アーティスト側の意図が必ず隠されています。リズム隊で言えば、打ち込み系の楽曲によく見られる「シンバルだけを左右のどちらか一方に配置して リズムをより強調させる」という手法もその一つです。「この楽曲はなぜこのようなアレンジになっているのか!?」ということを意識しながら聴いていくと、"アーティストから投げかけられたミステリーを解き明かす探偵のような立ち位置" で楽曲と真摯に向き合えるので、音楽への印象が変わるのも必然のような気がします。
このメソッドに関して、スピーカーで実践するのをあまりオススメしない理由は、上記の事が分かりづらくなってしまうからです。
完璧なセッティングが施された2WAYスピーカーであればまだ良いのですが、ビギナーの方には非常に難しいのでオススメできません。
やはり、直接音を耳に届けられる (音の定位を簡単に正しく聴き分けられる) イヤホンかヘッドホンを選ぶのがベターだと思います。
加えて、このメソッドを実践するにあたり「(最初は特に) どうしても歌声が気になって楽器伴奏に集中できない!」ということもあるかと思います。
そのような場合において、オススメな方法が一つあります。
それは、慣れるまでの間はボーカル無し (オフボーカルバージョン) の音源で聴くという方法です。
別途シングルCDを用意することにはなりますが、ボーカル無しの音源を選ぶことによって伴奏部分だけに集中できますし、何よりもこのメソッドを効果的に実感できます。加えて、とりあえず数を聴いて楽曲数を無駄に増やすよりも、一曲にとことん集中して聴いていく方が早くコツがつかめます。慣れてきたら、1回目の一番はリズム隊、二番以降はそれ以外の伴奏部分~という具合に、一曲に費やす回数を徐々に減らしていってください。最終的には、楽曲を1回聴いただけで楽曲の大まかな構成を把握できるようになります。
ちなみにですが、
風邪をひくと咳が止まらなくなるように、このメソッドが耳に浸透してくると、おおよそ2つの分かりやすい症状が現れます 笑。
1つ目は、音そのものに敏感になってきます。街や商業施設などで聴こえてくる音楽 (BGMなど) に耳が勝手に反応するようになり、自分でもビックリするくらいに自然と体でリズムをとってしまいます。沢山の騒音の中から的確に音楽を判別できているという事は、音を意識的に聴き分けることが出来ている証拠です。
そして2つ目は、より良いオーディオ製品・・・というよりも、より自分に合ったオーディオ製品を求めるようになります。これは、作れる料理のバリエーションが増えてくると、より良い調理器具が欲しくなるのと同じで、当然と言えば当然ですね!もちろん、この欲求を抑えるための処方箋 (オーディオ製品) を手にすれば解決しますが、この段階まできたらもう自信を持って大丈夫!自分に合うオーディオ製品を、プライスやブランドネームに頼るのではなく、しっかりと自分の耳で選ぶことができます。さらに言えば、このメソッドをマスターすると「ボーカルをメインで聴きたいから かまぼこ型の製品を選ぼう!」といった具合に、自分に合うタイプが判断できるようになります。(オーディオのタイプについてはコチラの記事をご一読ください)
終わりに、、、
オーディオに限らず、お金さえ払えば誰でも高級な製品を手にする事ができます。ですが、それらの製品を使いこなすには使う側のスキルがとても重要になってきます。バイオリンを習い始めたばかりの人が、ストラディバリウスを弾きこなすのは難しいでしょうし、プロ野球選手仕様のバットを購入したからといって、簡単にホームランが打てるようになるわけではありません。むしろ、逆に使いづらくなるのではないでしょうか!? 高級なオーディオ製品を手にすれば、良い音で聴くことができるのは事実ですが、他の製品と比べて確かに良い (違う) 音だと正しく理解するには、聴き分けられる耳が必要になってくるのも事実です。
オーディオの世界は奥が深いです。ですが、見方を変えればそれだけ楽しめる要素が多いとも言えます。
多くの皆さまにとって、まだ未知数である音の世界が、想像以上に素晴らしいものである事を心から願っています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
楽曲の種類は大きく分けて「ボーカル楽曲」と「インストゥルメンタル楽曲」の2種類しかありません。
「インストゥルメンタル楽曲」とは文字通り、歌 (ボーカル) のない楽器だけで演奏された曲の事であり、音だけで楽曲の世界観を表現する素晴らしい芸術です。しかしながら、一般リスナーの方には「ボーカル楽曲」の方が親しみがあるのではないでしょうか!?
今回はそんな「ボーカル楽曲」を100倍楽しめる!? メソッド(楽曲の聴き方)を、特別にお教えしたいと思います。
ちなみにですが、
「上手く誘導して イヤホンやヘッドホンを購入してもらおう!」というような、下心は全くありません (私自身 そういうやり方があまり好きではないので... )。
ただただ純粋に「今よりも音楽を好きになって頂きたい!」という思いだけです。加えて、"楽譜が読める"であったり、"コード進行を理解している"等の音楽的知識はもちろん、特別な道具も一切必要なし。このメソッドによって音楽に対する印象が変わるかもしれませんので、お時間をいただければ幸いです。
メソッドを実践するにあたり、用意するモノは次の3点です。
・イヤホン or ヘッドホン
・音楽を聴くためのデバイス
・音源
いかがでしょうか!?
音楽を聴く際に使用する最低限の道具だけで準備はOKです!
音楽を楽しむ場合、
イヤホン・ヘッドホンの他にスピーカーという選択肢もありますが、スピーカーはあまりオススメしません。
なぜならば、イヤホン・ヘッドホンに比べると実践するのが格段に難しくなるからです。理由は、後ほど説明します。
今回のメソッドを一言で表現するならば「ボーカルを意識しないように聴く!」という事になります。「ボーカル以外の部分 (楽器演奏) を意識しながら聴く!」という表現の方が分かり易いかもしれません。もう少し詳しく説明すると、多くの人は"無意識に歌声を意識して聴いてしまっているので、その聴き方 (意識) を変える"という事です。「別にボーカルを意識して聴いていないけどなぁ... 」と思われる方も多いと思いますが、実は多くの人がそのように聴いているのです。
誤解のないように説明すると、"無意識に歌声を意識してしまう" ことはごくごく一般的な現象です。例えば、ステーキ屋でステーキが運ばれてきたとき、誰もが主役のお肉に目を奪われてしまいます。この時に、付け合わせのポテトであったり、盛り付けられているお皿の方に意識が集中するなんて事はありませんよね!?「ボーカル楽曲」においての主役は間違いなくボーカルなので、無意識に歌声を気にしてしまうのはごくごく自然なことなのです。
まず初めに、ボーカル以外の部分 (楽器演奏) を意識しながら聴くことが、どういう理由で「ボーカル楽曲」を100倍楽しめることにつながるのかを説明します。(この部分をしっかりと理解する事が重要です)
「ボーカル楽曲」の歌声だけを意識して聴いているということは、ディズニーランドに遊びに行った際、他には目もくれずに、アトラクションだけで一日を過ごしているようなものです。花形であるアトラクションで遊ぶことは確かに楽しいですが、そこにパレードやショーなどの楽しいイベントであったり、個性豊かなキャラクターとのふれあいが合わさることで、"ディズニーランドで遊んだ" という経験になるのではないでしょうか!?
しかしながら、アトラクションだけで一日を過ごした場合においては、"ディズニーランドのアトラクションで遊んだ" という経験になり、ディズニーランド全体を堪能しきれていない事になります。もちろん、全てのイベント内容をしっかり把握した上での"アトラクションしか乗らない"という選択であれば、自分の意思によるものなのでまったく問題ありません。大事なのは、選択をする上で"選択肢"が多いほうがより楽しめるという事実です。沢山選択肢がある中での「今日はアトラクションを中心に一日を過ごそう!」の方が、"あえてそうしている" という心の余裕も生まれ、より充実した時間を過ごせるのではないでしょうか!?
このことは音楽鑑賞にも同じことが言えると思います。ボーカルをメインで (意識して) 聴きたい場合でも、楽曲の全体像を把握しているのとそうでないとでは、楽曲に対する理解度がまるで違うモノになってしまうという事を心に留めておいて欲しいのです。あらゆることを「意識」すると、物事を様々な角度から捉えることができ、その経験が「知識」として構築されていきます。これは「星が光り輝いて見えるのは夜 (暗闇) の存在があるから!」といった具合に、ある意味全てに通じる考え方だと思います。
前置きが長くなりましたが、ボーカル楽曲を100倍楽しめる具体的な聴き方を発表します!
"好きな楽曲を一つ選び 集中してフルコーラスで3回聴く"
たったこれだけです。
次に、どのような事に注意して聴いていくのかを説明します。
1回目:リズム隊 (ベースやドラムセッションなど) だけを意識して聴く
2回目:リズム隊以外の演奏部分 (ギターやピアノなど) を意識して聴く
3回目:歌声以外 (楽器伴奏全体) を意識しながら聴く
(1回目~3回目を1セットとして繰り返し実践するとより効果的です)
TVのクイズ番組で「ボーカル以外の楽器を全部当ててみよう!」という問題にあたかも参加しているような、リラックスした状態で聴くとスゴク楽しめますよ!選ぶ楽曲については、好きなアーティストであったり、聴き慣れた楽曲から始める方が良いでしょう。これは、苦手な教科よりも得意な教科の方が勉強しやすいのと同じ理由です。また、スローテンポな楽曲よりも、リズムを感じやすいアップテンポの楽曲の方がオススメです。
正直なところ、慣れるまでは想像以上に脳が疲れてくると思いますし、窮屈な感じがします。これは「美しい姿勢を意識しながら歩く」と同様に、普段当たり前のようにやり慣れている行動を違うやり方で実行しなければならないので、どうしてもそう感じてしまいます。
ですが、自転車に乗れるようになる為の練習のように、一旦マスターしてしまえばどんな楽曲でも柔軟に対応出来るようになります。想像以上に楽曲の世界観を楽しめるようになるので、そうなる未来が来ることを信じながら実践して頂ければ幸いです。
それでは、このメソッドの重要なポイントを見ていきましょう!
「リズム隊だけを意識して聴く」とあります。今回のメソッドの中では、この部分が最も重要であり、音楽を楽しむ上では絶対に切り離せない要素になります。音楽にとってのリズム (ビート) とは、人間で言うところの心臓と言っても過言でなく、リズム無しで音楽は成り立ちません。そのリズムを楽曲の中で分かり易く伝えているのが、ベースやドラムセッションなどのリズム隊という事になります。「3回連続で同じ楽曲を聴くのは面倒くさい」と思われる方は、リズム隊だけを意識して聴くことだけでも実践してみてください!楽曲に対する印象が確実に変わります。リズムを耳ではなく体で感じることができれば (この感覚を多くの人に知ってもらいたい!) 、あとはスムーズに進みます。このリズムの部分は"特に意識してほしい重要なポイント"としてお伝えしておきます。
イヤホンやヘッドホンで聴く場合、基本的に歌声とリズム隊は"頭の中央"から聴こえてきます。これは、レコーディングエンジニアが全体のバランスを考えて、歌声 (楽曲の主役) とリズム (伴奏の要) を聴きやすくするためにそう配置しているからです。逆に、歌声とリズム隊以外の楽器伴奏は、基本"頭の中央以外"から聴こえてきます。理由は言うまでもなく、中央に配置すると歌声と被り、主役が目立たなくなるからです。ですので、2回目の「リズム隊以外の演奏部分を意識して聴く」に関しては、頭の中で180度の扇形を描き、中央部分以外からの音を意識すると聴き取りやすいです。ボーカル有りの時はギターが右側から聴こえるのに、ギターソロになると中央から聴こえてくる (ギターソロの主役はギターだから) といった事が意識的に感じとれると、聴いていて楽しくなりますよ!
定位 (位置) を含めた楽曲のアレンジには、アーティスト側の意図が必ず隠されています。リズム隊で言えば、打ち込み系の楽曲によく見られる「シンバルだけを左右のどちらか一方に配置して リズムをより強調させる」という手法もその一つです。「この楽曲はなぜこのようなアレンジになっているのか!?」ということを意識しながら聴いていくと、"アーティストから投げかけられたミステリーを解き明かす探偵のような立ち位置" で楽曲と真摯に向き合えるので、音楽への印象が変わるのも必然のような気がします。
このメソッドに関して、スピーカーで実践するのをあまりオススメしない理由は、上記の事が分かりづらくなってしまうからです。
完璧なセッティングが施された2WAYスピーカーであればまだ良いのですが、ビギナーの方には非常に難しいのでオススメできません。
やはり、直接音を耳に届けられる (音の定位を簡単に正しく聴き分けられる) イヤホンかヘッドホンを選ぶのがベターだと思います。
加えて、このメソッドを実践するにあたり「(最初は特に) どうしても歌声が気になって楽器伴奏に集中できない!」ということもあるかと思います。
そのような場合において、オススメな方法が一つあります。
それは、慣れるまでの間はボーカル無し (オフボーカルバージョン) の音源で聴くという方法です。
別途シングルCDを用意することにはなりますが、ボーカル無しの音源を選ぶことによって伴奏部分だけに集中できますし、何よりもこのメソッドを効果的に実感できます。加えて、とりあえず数を聴いて楽曲数を無駄に増やすよりも、一曲にとことん集中して聴いていく方が早くコツがつかめます。慣れてきたら、1回目の一番はリズム隊、二番以降はそれ以外の伴奏部分~という具合に、一曲に費やす回数を徐々に減らしていってください。最終的には、楽曲を1回聴いただけで楽曲の大まかな構成を把握できるようになります。
ちなみにですが、
風邪をひくと咳が止まらなくなるように、このメソッドが耳に浸透してくると、おおよそ2つの分かりやすい症状が現れます 笑。
1つ目は、音そのものに敏感になってきます。街や商業施設などで聴こえてくる音楽 (BGMなど) に耳が勝手に反応するようになり、自分でもビックリするくらいに自然と体でリズムをとってしまいます。沢山の騒音の中から的確に音楽を判別できているという事は、音を意識的に聴き分けることが出来ている証拠です。
そして2つ目は、より良いオーディオ製品・・・というよりも、より自分に合ったオーディオ製品を求めるようになります。これは、作れる料理のバリエーションが増えてくると、より良い調理器具が欲しくなるのと同じで、当然と言えば当然ですね!もちろん、この欲求を抑えるための処方箋 (オーディオ製品) を手にすれば解決しますが、この段階まできたらもう自信を持って大丈夫!自分に合うオーディオ製品を、プライスやブランドネームに頼るのではなく、しっかりと自分の耳で選ぶことができます。さらに言えば、このメソッドをマスターすると「ボーカルをメインで聴きたいから かまぼこ型の製品を選ぼう!」といった具合に、自分に合うタイプが判断できるようになります。(オーディオのタイプについてはコチラの記事をご一読ください)
終わりに、、、
オーディオに限らず、お金さえ払えば誰でも高級な製品を手にする事ができます。ですが、それらの製品を使いこなすには使う側のスキルがとても重要になってきます。バイオリンを習い始めたばかりの人が、ストラディバリウスを弾きこなすのは難しいでしょうし、プロ野球選手仕様のバットを購入したからといって、簡単にホームランが打てるようになるわけではありません。むしろ、逆に使いづらくなるのではないでしょうか!? 高級なオーディオ製品を手にすれば、良い音で聴くことができるのは事実ですが、他の製品と比べて確かに良い (違う) 音だと正しく理解するには、聴き分けられる耳が必要になってくるのも事実です。
オーディオの世界は奥が深いです。ですが、見方を変えればそれだけ楽しめる要素が多いとも言えます。
多くの皆さまにとって、まだ未知数である音の世界が、想像以上に素晴らしいものである事を心から願っています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。