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ボリューム調整にまつわるエトセトラ

イヤホンやヘッドホンを試聴 (音質を判断) する際、
その製品のポテンシャルをできるだけ引き出してから試聴されることをオススメします。

以前、EarCOUTURE JOURNALの中で、
イヤーピース選びの重要性について追求しましたが、プレーヤー側のボリューム調整も同じくらい重要です。

(オーディオ製品に限らず) 自分好みの製品を見つけるということは、
「その製品の個性が自分の求めるものと合致しているか?!」ということを見極めることに他なりません。

今回は、ボリューム調整の重要性と、
それにまつわる小ネタを少々ご紹介しようと思います。


オーディオショップでイヤホンやヘッドホンを試聴する際、
ほとんどの人がプレーヤーのボリュームの設定 (音量) を変えずに試聴すると思います。


「普段から聴き慣れている音量で試聴する」


(普段聴いているイヤホン・ヘッドホンと聴き比べするのだから)
一見すると正しい試聴方法のように思えますが、実はちょっとした落とし穴が潜んでいます。

テレビを見ていてチャンネルを変えたときに、
ボリュームを変えていないのにもかかわらず、音量の変化を感じたことはありませんか!?

テレビ番組は各番組でマスターボリュームが異なるので、どうしても音量に差が出てします。(特に音楽番組とそれ以外の番組では差が出ます)

オーディオ製品も同じで、イヤホン・ヘッドホンの感度 (出力音圧レベル) は機種によって異なります。
つまりは、同じイヤホン (orヘッドホン) でも音の大きさが機種によって変わってくるということです。

もちろん、製品スペックの "感度の数値 (単位はdb) " を毎回チェックする必要はありませんが、
試聴したときに迫力を感じられなかったとしても、それがその製品の本来の音質だと決めつけないでほしいのです。

ちなみにですが、
「感度をすべて同じにすればいいじゃないか?!」と思われる人もいると思いますが、感度を上げると比例するようにノイズの量も増えていきます。

"低音特化型"の製品は低音の迫力である程度はごまかせますが、
"リファレンス型"や"かまぼこ型"のように、中高域のバランスを綺麗に鳴らす製品に関してはノイズが目立ってきてしまいます。(オーディオのタイプについてはコチラの記事をご一読ください)

とはいえ、ポータブルタイプのオーディオ製品に関しては、ポータブルプレーヤー(スマートフォンを含む)で鳴らすことを想定して作られているので、そこまでノイズに神経質になる必要はありません。

今回のジャーナルで最も伝えたいこと。
それは「(その製品の)本来の実力を知る前に、製品の良し悪しを判断するのは本当にもったいないことだ。」ということです。

テレビショッピングで掃除機の性能をアピールする際、
常識ではありえないくらいのゴミを吸い込んで吸引力をアピールします。

目に見えない埃のような、普段と変わらないゴミの量を吸い込むだけでは、
ほとんどの人が「今の掃除機でいいや!」となり、購買意欲はそそられないでしょう。

本来は優れた製品であったとしても、
実際にその良さを実感できなければ、我々は優れた製品だと認識することができません。


「イヤホン・ヘッドホンを試聴するときに最初にすること」


それは、自分が普段聴いている音圧で音質を比べられるように、プレーヤー側のボリュームを調整することです。(イヤホンはイヤーピースの調整もマストです)

これは、経験から言えることですが、小さい歌声ではその人の歌唱力が図れないように、
ある程度ボリュームを上げないと、オーディオ製品の性能は見極めることができません。

もしも、最高速度が300km以上出るスポーツカーに試乗しているにも関わらず、
20~30kmのスピードでその車の性能を見極めようとしていたらどう思いますか!?

「もう少しスピードを出さないと、この車の本来の実力はわからないのでは!?」と思うはずです。

オーディオ製品とより深く向き合うために。

イヤホン・ヘッドホンを試聴される際は、
ボリュームの方にも意識を向けていただければ幸いです。

もちろん、ボリュームの上げすぎは良くありません。

(試聴時間を含め) 自身の耳と相談しながら、
正しい聴き比べをした上で愛機と呼べる最高の相棒を探してください!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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