オーディオ製品に精通している人ほど、コストパフォーマンスの高さに驚くと思います。イヤホンに3万円弱という金額は高いと思われるかもしれませんが、奏でられる音色や音域のバランスなどを考慮すれば、プライス以上の完成度であると自信を持って言えます。
また、滅多にお目にかかれない茶色のケーブルなど、カラーリングを含めたデザイン性も秀逸であり、全体を通して差別化できるイヤホンだと思います。新進気鋭オーディオブランドの勢いと底力を感じられる、とても魅力的なオーディオ製品です。

まるで鉱山を思わせるようなフェイスプレートに茶色のケーブル。温かみのあるヴィンテージの要素がイヤホンデザインにも随所に落とし込まれており、全体的に大人が好む渋いカラーリングでまとめられています。加えて、イヤホンの個体そのものが丁度良い大きさなので、(女性男性問わず) 耳にハマったときに見栄えが良いです。付属のイヤホンケースも完成度が高く、ネイビーの質感が何とも言えません。
「Elixir」は、デザイン性を重視して選ばれる方はもちろん、音質重視の方も十分に満足させる素晴らしいサウンドに仕上がっています。名は体を表すとはまさにこのイヤホンのことを言っているよう。自信を持ってオススメできるミドルクラスのイヤホンです。

シェルの裏側が耳にフィットするように計算されており、個体そのものの大きさも相まって、耳へのハマリ具合がとても良いです。また、編み込みのケーブル (長さ 120cm) もしなやかでとても扱いやすく、ストレスのない音楽鑑賞を楽しむことができます。
ノズル部分の設計 (大きさ) が絶妙なので、イヤーピースがしっかりと固定されます。この部分は個人的に最も評価するポイントであり、イヤホンがズレることがほとんどありませんでした。断線しづらいケーブル、そして高級感のあるイヤホン本体は、ともに耐久性も抜群！耳に直接引っかけるので、慣れていない方は多少の戸惑いがあるかもしれませんが、総じて扱いやすい製品だと思います。

一聴して感じるのは、ボーカルの距離感が秀逸であるということ。ダイナミックドライバーが持つ中音域の美しさを支えるタイトな低域。音域のバランスは素晴らしいの一言に尽きます。楽器の鳴りが驚くほど自然なので、ライブ音源などは気持ちよく聴くことができます。
全体的に煌びやかさを感じながらも、高域がとにかく刺さりません。特定の音楽ジャンルを選ばない丁寧なチューニングが施されており、落ち着いたトーンで楽曲を楽しむことができます。特にジャズやクラシックのようなアコースティック・サウンドとの相性は抜群であり、アナログライクな音色とともに、忘れかけてた何かを思い出させてくれるでしょう。

音場は広すぎず狭すぎず、音の分離も手に取るように感じることができる。(音場と音の定位感の両方において) アンダー3万円のイヤホンでここまで完成度の高いバランスを聴いたことがありません。正直申し上げて文句のつけようがなく、ヘッドホンのような広大なステージを求める方以外は大満足のバランスだと思います。聴き慣れた楽曲でさえも、「Elixir」を通すと違う楽曲に聴こえるかもしれません。
(音域のバランスを含め) チューニングの完成度が素晴らしい反面、イヤーピースの選択が通常のイヤホンよりもシビアになってきます。個人的に色々試した結果、Acoustune「AET08」のような低音域の存在を高めるイヤーピースが最も相性が良いと感じました。

(女性・男性問わず) イヤホンそのものが耳にフィットしやすい設計になっているので、常識の範囲内での使用であれば、遮音性と音漏れともに心配ありません。付属のイヤーピースに伸縮性のあるフォームタイプもあるので、気になる方はそちらを使用してください。
超高純度銀メッキの銅リッツ線で編み込まれたしなやかなケーブルのおかげもあって、タッチノイズもほとんど無いに等しく、通勤通学時において音楽に集中できる環境を整えられます。